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黒崎 譲; 高柳 敏幸*
Chemical Physics Letters, 406(1-3), p.121 - 125, 2005/04
BrH系の非経験的に計算された基底状態のグローバルなポテンシャルエネルギー面(PES)についての新しい解析的関数を構築した。これは、以前われわれが発表した1A' PES[Y. Kurosaki, T. Takayanagi, J. Chem. Phys. 119 (2003) 7383]の修正版である。反応H+HBrH+Brとその同位体置換した反応の速度定数を、新しい1A' PESを用いて計算したところ実測値をよく再現した。これはフィットした関数の反応障壁の値1.53kcal molが真の値に非常に近いことを強く示唆している。
寺岡 有殿; 吉越 章隆
OMICRON Nanotechnology Newsletter, 6(1), p.4 - 6, 2002/04
表面反応ダイナミクスの研究では分子の並進運動エネルギーの作用を理解することが重要である。Si(001)面上での極薄酸化膜形成は表面反応ダイナミクス研究としてのみならずULSIにおけるゲート絶縁膜の開発にとっても重要な問題である。Si(001)面の初期酸化の際のO分子の並進運動エネルギーの役割を明らかにするため、超音速O分子線と放射光光電子分光法を用いて酸化過程の並進運動エネルギー依存性を測定した。第一にHOが解離吸着した表面の酸化では1eVと2.6eVに並進運動エネルギーしきい値を見いだした。Si-2p準位の光電子スペクトルのピーク分離から、第一のしきい値は二量体シリコンのバックボンドでの、第二のしきい値はサブサーフェイスシリコンのバックボンドでの直接的なO解離吸着のポテンシャルエネルギー障壁を表していると解釈される。
西谷 健夫; 井口 哲夫*; 海老沢 克之*; 北 好夫*; 河西 敏
JAERI-Tech 96-038, 29 Pages, 1996/09
ITERにおけるイオン温度測定を目的とし、反跳陽子法に基づく新型のDT中性子用スペクトロメータを開発した。このスペクトロメータは、ポリエチレン薄膜から入射中性子によって散乱される陽子をマイクロチェンネルコリメータを介して半導体検出器で測定するもので、2.5%のエネルギー分解能と10counts(n/cm)の検出効率を得られる。ITERでは、この中性子スペクトロメータを生体遮蔽の外に5チャンネル配置し、イオン温度分布を測定することを想定している。半導体検出器の照射損傷について中性子のモンテカルロ計算により評価し、ITERの運転環境において1年程度の寿命があることを示した。
渡辺 光男; 岩田 忠夫
Physical Review Letters, 72(21), p.3429 - 3432, 1994/05
被引用回数:4 パーセンタイル:44.2(Physics, Multidisciplinary)高温超伝導体YBaCuOにおいて大きな磁気熱量効果を発見した。それは、0~10テスラの範囲の外部磁場(H)の増加時及び減少時に、量子磁束線の侵入及び排出に伴って断続的に熱が発生する、即ちパルス状の熱発生(Q)がほぼ一定の磁場間隔(H)で繰り返し起こる、というものである。この結果は、de Gennesらが理論的に予言していた、量子磁束線の侵入及び排出に対する表面バリアの存在を直接証明するものである。更に、Q=-M H(Mは磁化)の関係が存在し、発生熱量が量子磁束線の運動によってなされた仕事に相当すること、またHが30K以下で温度によらずほぼ一定であること、従って量子磁束線は、熱活性化によるのではなく、トンネル効果によって表面バリアを透過する可能性が大きいこと、などを明らかにした。
神野 郁夫
Journal of Nuclear Science and Technology, 28(11), p.1061 - 1064, 1991/11
これまで、シリコン表面障壁型半導体検出器(SSB)の残余損失は、(1)重イオンによって生成されたプラズマ柱が誘電体の性質を持つことから理論的に導出できること、(2)この誘電体効果モデルにより残余損失の実験結果が明瞭に説明できること、及び(3)誘電体効果モデルの遮蔽係数がほぼ電子・正孔対密度に比例することを報告して来た。本論文では、SSBを用いた測定において、重イオンのエネルギーのより正確な導出法、SSB内の重イオンの飛程の導出法、及び粒子識別法の提案を行う。この方法で求めた重イオンのエネルギーと飛程は、計算で得られたそれらの値と良い一致を示した。エネルギーと飛程とから陽子数、質量数を求める方法を確立することにより、SSBを荷重粒子識別検出器として用い得る可能性があめる。
神野 郁夫; 池添 博; 大槻 勤*; 林 修平*; 金沢 哲*; 木村 逸郎*
Journal of Nuclear Science and Technology, 28(6), p.582 - 584, 1991/06
シリコン表面障壁型半導体検出器(SSB)の残余損失について、101.7MeVおよび133.9MeVのNiイオン、129.8MeVのIイオンを用いて実験を行った。133.9MeVのNiイオンについては、SSBへの入射角度を0、30、45、60度と変化させて、残余損失の入射角度依存性を研究した。使用したSSBの比抵抗は、362cm、1500cmおよび2100cmであった。実験結果は、誘電体効果モデルで解析された。(Iおよび101.7MeVのNiイオンについては、入射角度0度のみ測定した)解析の結果、角度を持って入射したイオンの場合、プラズマ柱の長さが射影された長さ、プラズマ柱内部の電子・正孔対密度が余弦の逆数倍された密度を見做すことにより、よく理解されることがわかった。
神野 郁夫
Journal of Nuclear Science and Technology, 28(2), p.87 - 94, 1991/02
シリコン表面障壁型半導体検出器における残余損失を理論的に研究した。電荷収集過程モデルの応用により、残余損失が再結合による損失ではなく、他に原因があることがわかった。残余損失は、誘電体の性質をもつプラズマ柱内部の電子および正孔の動きによって誘起される電荷量が不十分であることによって引き起こされる。電荷収集率を空乏層の厚さ、プラズマ柱の長さおよび検出器の抵抗値の関数として示している。
神野 郁夫
Review of Scientific Instruments, 61(1), p.129 - 137, 1990/01
被引用回数:11 パーセンタイル:73.82(Instruments & Instrumentation)シリコン表面障壁型半導体検出器(SSB)における電荷収集過程についてモデルを考案した。このモデルは著者が既に報告しているSSBにおけるプラズマ柱の生成・崩壊のモデルに続くものである。SSB内での電荷収集については、一対の電子、正孔を扱ったRamoの定理があるが、この定理をプラズマ柱の崩壊にともなう多数の電子および正孔に応用した。このモデルは、プラズマ柱の先端、後端の位置を時間の関数として表わし、またプラズマ柱消滅の時刻も算出する。このモデルを用いて、アルファ粒子、Arイオンについて、SSBにかけるバイアス電圧を50~200Vに変化させ、誘導電流、誘導電荷を時間の関数として計算した。
神野 郁夫
JAERI-M 87-173, 102 Pages, 1987/10
核分裂片二重エネルギー二重速度(DEDV)測定しの新しいシステムが開発された。このシステムでは、核分裂片のエネルギーをシリコン表面障壁型半導体検出器(SSB)で測定し、薄膜シンチレーション検出器(TFD)をスタート検出器、SSBをストップ検出器とする飛行時間法で、速度を測定する。DEDV測定システムの開発にあたり、TFDおよびSSBについて、理論的・実験的研究がおこなわれた。TFDとSSBを用いたDEDV測定システムの時間分解能は133psであった。このシステムの応用として、U熱中性子核分裂片についてDEDV測定をおこなった。解析結果の分裂片の運動エネルギーおよび中性子放出数は、他のデータと良い一致を示した。このDEDV測定システムを用いて、核分裂現象を詳細に研究することができる。
田村 務; Kuroyanagi, Tokihiro*
Nuclear Instruments and Methods, 67(1), p.38 - 44, 1969/00
抄録なし
T.タムラ*; T.クリヤナギ*
Nuclear Instruments and Methods, 67(1), p.38 - 44, 1969/00
抄録なし